研究課題
現在,レゾルシンアレーンを基盤とした自己集合カプセルを合成し,メタセシス反応を用いることで上下のカプセルを結合したヘミカルセランドの合成に成功した。このヘミカルセランドは八つのビピリジン部位を組み込んであるので,銅一価イオンの配位によりカプセル構造が収縮することがわかった。この構造収縮は45%の体積変化を起こす非常に大きな構造変化であった。また,空孔の拡張と伸縮はゲスト分子の長さを精密に認識し,長さの異なるゲスト分子を識別するアロステリックな分子認識を達成した。また,空孔の収縮により柔軟なゲスト分子の配座制御ができることも明らかにした。特に,炭素数が10前後の長鎖アルカンジオールジアセテートはカプセルに包接され,包接空孔が縮小すると折りたたまれた立体配座を取ることがわかった。以上のように二つのキャビタンドを連結したヘミカルセランドは外部刺激に応答して伸縮する分子デバイスとして機能することがわかった。本研究課題では,外部刺激により異方的に伸縮するヘミカルセランドの合成に成功した。現在,ヘミカルセランドの構造伸縮が長軸方向に限定されていることを利用して,この分子構造変化をマクロな運動に変換できるアクチュエータの開発を継続している。現状では,超分子ポリマー構造に超分子カプセル構造を組み込むことに成功しており,ヘミカルセランドの構造伸縮をマクロな構造変化に増幅できる超分子システムの開発を行うことで,目的の超分子アクチュエータの開発を完成する予定である。
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すべて 雑誌論文 (29件) (うち査読あり 29件) 学会発表 (44件) (うち国際学会 3件、 招待講演 6件) 備考 (3件)
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