円偏光発光は次世代の三次元ディスプレイ等への応用が期待されている重要な研究対象である。本研究では、キラル希土類錯体の合成実験と量化学統計によって、キラル希土類錯体の円偏光発光の異方性因子を大きくする電子パラメータ(LMCT遷移強度の関与)とそれに関連する構造パラメータ(LMCTの角度)を初めて明らかにすることができた。これは希土類錯体の量子化学計算によって初めてLMCT評価が可能になったことに起因する。この研究成果により、キラル希土類錯体の円偏光発光機能を増大させるためにはキラル配位子のLMCT遷移を積極的に制御することが重要性であることを初めて明らかにした。
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