窒素分子や二酸化炭素の還元反応は、エネルギー変換/貯蔵の観点やSDGsの観点で社会的な注目を集めている。窒素分子をアンモニアへ還元する酵素反応や工業反応、二酸化炭素を一酸化炭素へ還元する酵素反応、一酸化炭素から液体炭化水素を合成する工業反応の全てに関わる金属元素が鉄であり、これらの反応の高効率化に向けた触媒候補になり得るのが、金属塊より反応性が高く、複数の金属原子が反応に関わる可能性があるのが金属クラスター錯体である。また、構造と組成が一義的に決まる金属クラスター錯体は、反応性の詳細を確認し易く、高効率触媒を開発するための基礎的な知見も提供すると期待できる。
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