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2021 年度 実施状況報告書

会合基配置が制御された感熱水溶性高分子の合成と高分子インフォマティクスへの挑戦

研究課題

研究課題/領域番号 20K21222
研究機関京都大学

研究代表者

大内 誠  京都大学, 工学研究科, 教授 (90394874)

研究分担者 古賀 毅  京都大学, 工学研究科, 教授 (80303866)
研究期間 (年度) 2020-07-30 – 2023-03-31
キーワード感熱性 / 高分子 / 刺激応答 / 精密重合 / 配列 / インフォマティクス
研究実績の概要

感熱水溶性高分子としてポリイソプロピルアクリルアミド(PNIPAM)に着目し,モノマーであるイソプロピルアクリルアミド(NIPAM)と疎水性モノマーの交互共重合体,あるいは交互共重合体セグメントを含む3元共重合体を合成し,その水溶液の感熱性を実験として評価する。一方で,計算科学によってその感熱性を検証し,隣接する疎水性基によって感熱性がどのような影響を受けるかを明らかにし,実験と計算の両面から配列制御高分子の感熱性挙動を系統的に明らかにする。
2021年度は側鎖を後重合反応によって変換可能なジビニルモノマーの環化重合とイソプロピルアミンを用いたアミノリシス反応によってNIPAMと2-ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)の交互共重合体を合成した。この交互共重合体はNIPAMホモポリマーよりも低い温度応答性を示し,1:1の統計的ランダム共重合体に比べて高い温度応答性を示した。水溶液のDSC測定から,交互共重合は隣接するHEMAユニットの水酸基によって,NIPAMユニットからの脱水和による安定化がホモポリマーやランダム共重合体に比べて顕著ではないことがわかった。別の水酸基含有モノマー2-ヒドロキシエチルビニルエーテルをコモノマーとする交互共重合体も合成し,この一般性を確認している。さらに水酸基をイソシアネートと反応させることでウレタン結合を有する会合性側鎖へと変換し,温度応答性に与える影響を調べている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

合成の計画は順調に推移しているが,計算との融合にまだ至っていない。系統的に感熱性を調べることができる実験系が必要であり,その検討をさらに推し進める必要がある。

今後の研究の推進方策

色んな分野で検討され,その感熱性挙動が調べられているNIPAMユニットを固定化し,コモノマーとして水酸基,さらに水酸基と様々なイソシアネートの反応によって会合性のウレタン結合を導入することで系統的な感熱性挙動を調べる。さらに計算でその挙動を調べ,実験結果との相関を調べ,感熱性を予想する理論の構築を目指す。

次年度使用額が生じた理由

2021年度にどのような高分子を合成するかの目処がついた。2022年度に合成と計算に取り組むために約25万円を繰り越すこととした。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2022 2021 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 2件、 招待講演 4件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Long-Range Ordered Lamellar Formation with Lower Molecular Weight PS-PMMA Block Copolymers: Significant Effects of Discrete Oligopeptides at the Junction2022

    • 著者名/発表者名
      Yoshimura Tomoka、Morishita Tomofumi、Agata Yoshihiro、Nagashima Kodai、Wylie Kevin、Nabae Yuta、Hayakawa Teruaki、Ouchi Makoto
    • 雑誌名

      Macromolecules

      巻: 55 ページ: 2148~2159

    • DOI

      10.1021/acs.macromol.1c02569

    • 査読あり
  • [学会発表] Rational Design for Syntheses of Sequence-Controlled Polymers and the Sequence-Oriented Functions2021

    • 著者名/発表者名
      Makoto Ouchi
    • 学会等名
      The 48th World Polymer Congress IUPAC-MACRO2020+
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] 高分子のオンデマンド精密合成:配列制御による配列機能の創出2021

    • 著者名/発表者名
      大内 誠
    • 学会等名
      第30回ポリマー材料フォーラム
    • 招待講演
  • [学会発表] 汎用モノマー配列が制御された共重合体の精密合成と配列に基づく物性評価2021

    • 著者名/発表者名
      大内 誠
    • 学会等名
      第100回千葉地域活動高分子研究交流講演会
    • 招待講演
  • [学会発表] Strategic Syntheses of Sequence-Controlled Vinyl Polymers and the Sequence-Oriented Functions2021

    • 著者名/発表者名
      Makoto Ouchi
    • 学会等名
      Pacifichem 2021
    • 国際学会 / 招待講演
  • [備考] 研究室ホームページ

    • URL

      http://www.living.polym.kyoto-u.ac.jp/

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公開日: 2022-12-28  

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