本研究の対象は有機レーザー色素の開発であるが,その中には様々な基礎科学に関する要素技術があり,それらについて様々な進展を得ることができた。例えば近赤外発光や常温りん光では非放射失活やスピン反転などの制御が重要であり,レーザー特性の向上のためには放射失活を最大化する必要があるなど,励起子過程に関する様々な課題に対して成果が得られた。さらに,デバイス化することで有機光化学に関するより詳しい知見を得るなど,基礎学理の深化に貢献する結果を導出できた。本研究で得られた知見が有機光電子デバイスの研究における技術革新につながる数々のシードとなり,未来社会に貢献すると期待される。
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