本研究では,適度な網目径と網目数を持ち水に可溶な三次元網目構造体=分子ネット(MN)をポリエチレングリコール(PEG)から作成し,このMN溶液中で水溶性モノマーを重合(縫込み重合)することにより,トポロジカルな構造をもつ新規ゲル(MN-gel)を合成した。アクリル酸(AAc)およびN-イソプロピルアクリルアミド(NIPAAm)をモノマーに選択して合成したMN-gelの引っ張り試験を行なったところ,通常の化学架橋ゲルと比較して著しく大きな破断伸びを示した。ゲルの変形は塑性変形と弾性変形の両方を含んでおり,特にPNIPAAMからなるMN-gelは非常に広い弾性変形領域を示すことが明らかとなった。
|