研究課題
挑戦的研究(萌芽)
金属酸化物と固体窒素源を用いた金属窒化物の単結晶粒と粉末の新しい低温合成法を開発した.Ti, V,Nb,Ta,Crの酸化物を原料とすることで,TiN, VN, NbN, TaN, Cr2Nの単結晶粒の集合体や粉末粒子が900-1100℃で得られた.このプロセスのの反応メカニズムは,全ての反応系で副生成物として生成するナトリウムホウ酸塩の大きな生成自由エネルギーが駆動力であり,それを介して金属酸化物の酸素とBNの窒素が入れ替わる広義のメタセシス反応であることが明らかになった.
固体材料化学
金属窒化物の単結晶粒や粉末を,安価で取り扱いが容易な金属酸化物と固体窒素源を原料に用いて常圧・低温条件下で合成する新しいプロセスを開発した.このプロセスの反応メカニズムは,副生成物であるナトリウムホウ酸塩を介した 金属酸化物の酸素とBNの窒素が入れ替わるメタセシス反応であり,今後,金属窒化物の工業的な低温合成プロセスへの応用が期待される.