研究課題
ナノ粒子超構造体の直接液相合成において、超構造体中のナノ粒子の配列様式を制御するために、ナノ粒子の成長プロセスを制御することで自己集合時におけるナノ粒子の形状制御を行った。モデル物質として、粒子形状を広い範囲で容易に制御可能な硫化銅を用いた。銅前駆体とアルキルアミン配位子の混合溶液にジスルフィドを添加することで、硫化銅ナノ粒子の形成とその後の集合を確認することができた。この中で、アルキルアミン配位子濃度を変えることで、硫化銅ナノ粒子の形状が球とディスクの間で作り分けることができ、集合時の規則配列がそれぞれ面心立方構造と非面心立方構造となることで、結果として超構造体全体の構造をそれぞれ等方的な形状と異方形状の間で大きく制御できることを見出した。アルキルアミン濃度が大きい場合、ロクスビー鉱型硫化銅の(100)面の銅カチオンリッチ層にアルキルアミンが強く吸着することで成長が抑えられ、扁平なナノ粒子が形成したと考えられる。一方でアルキルアミン濃度が小さい場合、その面選択的な成長抑制作用が弱まり、等方的な球状ナノ粒子が生成したと考えられる。これらのうち、異方性超構造体では結晶面が一軸方向に配向しており、それに由来する複屈折やホールプラズモン由来の近赤外領域の吸収に指向性が現れることを見出した。さらに、これらの超構造体に対して他の金属カチオンとイオン交換処理を行うことで、ナノ粒子の規則配列を維持したまま様々な金属硫化物半導体超構造体の調製が可能になった。
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