研究課題/領域番号 |
20K21244
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
上野 隆史 東京工業大学, 生命理工学院, 教授 (70332179)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2022-03-31
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キーワード | タンパク質結晶構造解析 / 細胞内タンパク質結晶 / 多孔性材料 |
研究実績の概要 |
タンパク質の高分解能構造の決定は、生命現象の理解から医薬応用まで様々な分野で渇望されており、従来主流となっていたX線結晶構造解析に加え、Cryo-TEMやX線自由電子レーザー、in cell NMR等の構造解析手法が開発されてきた。しかしながら、共通する大きな課題としてタンパク質の単離・精製が依然として解決されていない。本研究では、直径数nmの細孔を内部に有するタンパク質結晶(多孔性タンパク質結晶)に着目し、標的タンパク質を融合した標的タンパク質融合多孔性タンパク質結晶を細胞内で合成する。将来的には、大型放射施設の微結晶ビームラインによる自動結晶構造解析につなげる。本研究では単独では構造決定が困難な標的タンパク質を遺伝子的に融合した多孔性タンパク質複合結晶を細胞内結晶化により合成し、標的タンパク質の高分解能構造決定の実現に挑む。現在 (1) 多孔性タンパク質結晶の細胞内結晶化と最適化、(2) 迅速構造解析に向けた大腸菌を用いる標的タンパク質融合多孔性タンパク質結晶合成手法を確立している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
多孔性タンパク質結晶の細胞内結晶化と最適化を達成できた。具体的には、鋳型となるタンパク質結晶の選定が重要な鍵を握る。そこで、クライトキシン(Cry)結晶に着目した。Cry結晶は、殺虫タンパク質前駆体として細胞内で形成される。様々な種類のCry結晶は形状の異なる5nmほどの細孔空間を有することが知られており、それらのエンジニアリングを達成したため。
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今後の研究の推進方策 |
標的タンパク質を融合した多孔性タンパク質複合結晶の細胞内合成と構造解析 構造既知のタンパク質の融合により本手法の妥当性を評価するために、医薬ターゲットとして重要な数十残基からなるペプチドを標的とし、これまで困難とされている単量体やオリゴマー構造を結晶内に形成する。タンパク質ータンパク質相互作用の例として既知の複合体の細胞内結晶化もすすめる。
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次年度使用額が生じた理由 |
理由)zoomによる学会への参加やセミナー開催により、旅費、謝金などを節約できたため。 使用計画)結晶化調製の物品費として使用する。
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