本研究は、ヒトの死後検体を形態を保持したまま高度に透明化し、高解像度かつ網羅的に受傷臓器を3Dイメージングすることで、正確な死因を特定する新規死因究明法の確立を目的とする。大きなヒトの死後検体に適用可能な新規透明化プロトコールの開発に取り組み、3-5㎝立方の大きな死後ヒト組織検体を高度に透明化することに成功した。また、皮質動脈破裂による硬膜下血腫の病変部位を用いて透明化・3Dイメージング解析を行い、皮質動脈破裂の検出に成功し、肉眼観察では見逃していた破裂も検出可能であることが分かった。肉眼及び2次元の組織分析では不可能であった破裂部位と周囲小動脈の3次元的な形態解析が可能となった。
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