研究課題/領域番号 |
20K21249
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
木村 康明 名古屋大学, 理学研究科, 講師 (80769977)
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研究分担者 |
村上 努 国立感染症研究所, エイズ研究センター, 主任研究官 (50336385)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2022-03-31
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キーワード | 共有結合医薬 / 抗HIV薬 / プロドラッグ |
研究実績の概要 |
今年度は本研究で開発を進めている抗HIV候補薬のメカニズム解析および構造誘導化の検討に取り組んだ。前者では開発候補分子を母核としたプローブ分子を複数合成した。低分子型のプローブについては、クリック反応の足掛かりとなるアルキンを含むセレノユニットを核酸に導入した。オリゴ核酸については、アルキン含有の核酸の逆合成用のホスホロアミダイトを合成し、阻害剤ユニットを3’末端に組み込んだオリゴ核酸を合成した。これらのプローブ分子を用いて、ウイルス逆転写酵素に対するプライマー伸長反応の検討を行った。種々取り込み条件を検討し、低分子のプローブ分子を用いた際に、比較的良好な効率でプローブの取り込みおよび期待する活性種放出が起こる条件を見出した。一方後者の阻害剤誘導体合成においては、塩基部位およびセレノ部位の誘導化の検討を行った。一部の塩基誘導体では、保護基の種々検討が必要になるなど合成が困難であったが、目的物を合成しその活性評価を行った。セレノ部位誘導体に関しては、当初の化合物の活性を上回る誘導体も見出しつつある。また、核酸ユニットの誘導化に加えて、核酸アナログに有効なリン酸プロドラッグの開発にも取り組んだ。核酸アナログのモデルとして選択した抗がん剤においては、既存のプロドラッグを上回る活性を示す構造を見出しつつあり、この予備的な結果をベースにプロドラッグの構造最適化を続ける予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
プローブ分子の合成および酵素反応の解析が想定より困難であったため。
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今後の研究の推進方策 |
合成したプローブ分子を用いてウイルス逆転写酵素に対する反応およびその様式の解明を進める。誘導体合成に関しては、塩基部位や糖部の誘導化に加えて、プロドラッグ構造の新規開拓についても研究を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究進捗の都合上、今年度に使用を想定していた試薬を次年度に使用することになったため。
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