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2021 年度 実施状況報告書

鏡像抗体様分子の探索プラットフォームの構築と機能分子探索への応用

研究課題

研究課題/領域番号 20K21252
研究機関京都薬科大学

研究代表者

大石 真也  京都薬科大学, 薬学部, 教授 (80381739)

研究分担者 野中 元裕  京都大学, 医学研究科, 准教授 (70514173)
研究期間 (年度) 2020-07-30 – 2023-03-31
キーワードスクリーニング / 抗体様分子 / 鏡像型タンパク質 / 創薬 / モダリティ
研究実績の概要

抗体様分子は、高親和性で標的分子と結合する最小のタンパク質ドメイン構造である。本研究では、抗体様分子の鏡像型タンパク質を医薬品シーズ探索の新しいモダリティとして応用することを目的として、以下の検討を行った。
(1)鏡像抗体様分子の化学合成法の確立:昨年度までの研究により化学合成法を確立した90残基程度からなる抗体様分子について、D-アミノ酸からなる鏡像型タンパク質を取得し、標的タンパク質との分子認識が立体選択的であることを確認した。また、化学合成により取得した天然型タンパク質と鏡像型タンパク質の免疫原性を比較評価した。さらに、特定の標的分子との相互作用が期待されるランダム配列を含む抗体様分子、及び、鏡像抗体様分子になり得る新たなスキャフォールドタンパク質の化学合成プロセスの確立に向けた検討に着手した。
(2)抗体様分子の提示システムの構築:昨年度までに化学合成プロセスを確立した抗体様分子について、ファージディスプレイを用いた探索評価系を構築した。また、この配列の一部にランダム配列を導入したライブラリーの構築が可能であることを明らかにした。
(3)鏡像スクリーニングのための標的分子の合成と機能評価:鏡像スクリーニングの標的分子として選定した免疫機能調節作用を有するタンパク質の機能評価系を確立した。このタンパク質が結合する節足動物由来のタンパク質の鏡像型タンパク質を利用することにより、化学合成により取得した鏡像型標的タンパク質が所望の生物活性及び立体選択的な分子認識を示すことを確認した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

合成検討を進めていた抗体様分子の生物活性・機能を確認するとともに、スクリーニングに利用可能なファージを用いた探索評価系を確立することができた。また、標的分子の1つとして選択していたケモカインの機能評価系の構築を完了し、化学合成が困難な膜タンパク質を用いずに鏡像型標的タンパク質の機能評価を行う新たな手法を確立することができた。これらのことから、本研究課題はおおむね順調に進展していると考えられる。

今後の研究の推進方策

引き続き、本研究課題において探索技術基盤を確立できた抗体様分子について、実際のスクリーニングへの応用を検討する。また、新たに着手した抗体様分子の化学合成を進めていく予定である。

次年度使用額が生じた理由

今年度までの検討により確立した探索技術基盤を活用したスクリーニングに展開するとともに、スクリーニングにより取得した活性配列を組み込んだ抗体様分子の化学合成を引き続き実施するため。次年度使用額は、研究に用いる消耗品費、本研究で利用する機器の修理費として利用する予定である。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2021 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うちオープンアクセス 1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件) 備考 (1件) 産業財産権 (1件) (うち外国 1件)

  • [雑誌論文] 化学合成タンパク質を利用したスクリーニング技術の開発 ―鏡の中に存在する化合物リソースの創薬研究への応用―2021

    • 著者名/発表者名
      大石 真也
    • 雑誌名

      京都薬科大学紀要 = Bulletin of Kyoto Pharmaceutical University

      巻: 2 ページ: 123~133

    • DOI

      10.34445/00000277

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 鏡の中の創薬シーズ2021

    • 著者名/発表者名
      大石 真也
    • 雑誌名

      MEDCHEM NEWS

      巻: 31 ページ: 143~146

    • DOI

      10.14894/medchem.31.3_143

  • [学会発表] Chemical protein synthesis for mirror-image screening2021

    • 著者名/発表者名
      S. Oishi
    • 学会等名
      4th National Taiwan University School of Pharmacy Research Day and International Conference
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] 溶解性向上タグを用いたTIGIT細胞外ドメインの化学合成研究2021

    • 著者名/発表者名
      岩本直也, 佐々木順平, 青木啓輔, 薄井友輔, 井貫晋輔, 大野浩章, 大石真也
    • 学会等名
      第53回若手ペプチド夏の勉強会
  • [備考] 研究室ホームページ

    • URL

      https://labo.kyoto-phu.ac.jp/yakuhin/publication.html

  • [産業財産権] 免疫原性低減型低分子抗体とその製造法2021

    • 発明者名
      野中元裕、大石真也、大野浩章、青木啓輔
    • 権利者名
      野中元裕、大石真也、大野浩章、青木啓輔
    • 産業財産権種類
      特許
    • 産業財産権番号
      PCT/JP2021/022968
    • 外国

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公開日: 2023-12-25  

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