本研究では、微生物群集(菌叢)を構成する細菌のうち、特定の属や種の細菌に対してのみ特異的に細胞死を誘導し、菌叢の構成菌種を減算的に制御する技術の開発に取り組んだ。研究開始当初、cell penetration peptide (CPP)を付与したCasヌクレアーゼによる細胞死誘導を試みたが、十分な効果を確認するには至らなかった。そこで、Casヌクレアーゼよりも大幅に小さな分子であるペプチド核酸(PNA)を用いた細胞死誘導に取り組んだ。この結果、2~8 μMのCPP融合PNAによって大腸菌やPseudomonas属細菌に対して、細菌選択性を伴った細胞死誘導効果を確認することができた。
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