本研究は、メカノセンサーであるPiezo1の腸管上皮における役割を明らかにすることを目的として、マウスと培養細胞を組み合わせて試験を進めた。腸管上皮特異的Piezo1欠損マウスに食物繊維を摂取させたところ、食物繊維はPiezo1の活性化を介して、抗菌ペプチドReg3発現を誘導することが示された。またこの作用には、Reg3の転写に重要な転写因子STAT3のリン酸化が関わっていることが明らかとなった。またPiezo1欠損マウスでは、腸内細菌叢への影響が確認され、その中で酪酸産生菌の1つであるButyricoccus属が低値を示し、また糞中の酪酸濃度も低下していた。
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