真核生物において核のサイズは厳密に制御されており、核と細胞の体積比は一定に維持されている。核サイズ制御の破綻は、がん細胞や老化細胞で散見される異常であることから、核サイズ制御機構の解明は、細胞のがん化や老化の理解につながることが期待される。本研究は、分裂酵母を真核生物のモデルとして用いて、核サイズの人為的操作法の確立を目指した。核サイズ制御に関わる細胞内プロセスに注目して、それらの活性を微調整し組み合わせることにより、核サイズを安定的に変化させる方法を見出した。当該方法により、核サイズを変化させた細胞の表現型解析を行い、核サイズの変化は、その他のオルガネラ構造に影響を及ぼすことを明らかにした。
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