• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2020 年度 実施状況報告書

植物色素毎の生理機能を特徴付けるモデル植物の作出

研究課題

研究課題/領域番号 20K21309
研究機関静岡大学

研究代表者

中塚 貴司  静岡大学, 農学部, 准教授 (60435576)

研究期間 (年度) 2020-07-30 – 2022-03-31
キーワードベタレイン / アントシアニン / 遺伝子組換え / トルコギキョウ / ペチュニア
研究実績の概要

ペチュニアを用いてベタレインまたはアントシアニンを蓄積する形質転換体の作出を行った。3つのベタシアニン生合成酵素遺伝子(CYP76AD1、DOD、5GT)をCaMV35Sプロモーターでドライブしたコンストラクトを導入したペチュニアでは、葉が赤く定色し、ベタシアニンの蓄積が確認された。一方、アントシアニン生合成転写調節因子遺伝子であるDPLを過剰発現したペチュニアも作出し、葉にアントシアニンを過剰に蓄積した形質転換体が得られた。これにより同一種内にそれぞれの色素が蓄積した個体を作出することに成功した。
黄色色素であるベタキサンチン生合成遺伝子に関わる2つの遺伝子(CYP76AD6とDOD)を過剰発現したペチュニアの作出も行った。CaMV35Sプロモーターで両遺伝子を制御した形質転換ペチュニアは、葉や花で黄色いベタキサンチンの蓄積が観察されたが、著しく生育抑制した。一方、花弁特異的InMYB1プロモーターでCYP76AD1をドライブすることで花弁に淡い黄色の着色が見られ、生育抑制を回避することができた。このように同じベタレイン色素においても、形質転換体の生育に及ぼす影響が異なることが明らかになった。
現在、得られた形質転換体を自殖し、T1種子の獲得を行っている。これらのT1個体を用いて、異なる色素を蓄積するペチュニアに対する環境ストレスへの反応の差異を調査していく予定である。
園芸的な観賞価値を高めるために、トルコギキョウにベタシアニン生合成酵素遺伝子(CYP76AD1、DOD、5GT)を導入したところ、ベタシアニンがアントシアニンと共存して花弁に蓄積した。この形質転換トルコギキョウT1個体の特性評価を実施中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

ベタレインおよびアントシアニンが蓄積するペチュニア形質転換体の作出に成功した。今後は、現在回収中のT1種子を用いて植物色素の違いが生理応答及ぼす影響を調査する。

今後の研究の推進方策

ベタシアニン蓄積とアントシアニン蓄積形質転換体系統に絞り、それぞれの色素の環境ストレスへの反応を違いを調査する。形質転換体の色素蓄積量はHPLCで測定し、各3系統ずつ調査に用いる。環境ストレスとして、塩、UV照射から実施し、その後病原菌に対する反応を調査し、色素による生理機能の違いを明らかにする。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2021 2020 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Two Independent Spontaneous Mutations Related to Anthocyanin-less Flower Coloration in <i>Matthiola incana</i> Cultivars2021

    • 著者名/発表者名
      Nuraini Latifa、Tatsuzawa Fumi、Ochiai Masaki、Suzuki Katsumi、Nakatsuka Takashi
    • 雑誌名

      The Horticulture Journal

      巻: 90 ページ: 85~96

    • DOI

      10.2503/hortj.UTD-212

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Anthocyanin regulatory and structural genes associated with violet flower color of Matthiola incana2020

    • 著者名/発表者名
      Nuraini Latifa、Ando Yukiko、Kawai Kentaro、Tatsuzawa Fumi、Tanaka Kotomi、Ochiai Masaki、Suzuki Katsumi、Aragones Veronica、Daros Jose-Antonio、Nakatsuka Takashi
    • 雑誌名

      Planta

      巻: 251 ページ: 61-61

    • DOI

      10.1007/s00425-020-03351-z

    • 査読あり / 国際共著
  • [備考] 静岡大学農学部生物資源科学科花卉園芸学研究室

    • URL

      https://sites.google.com/site/shizuokaflower/home

URL: 

公開日: 2021-12-27  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi