セーフナーは作物の除草剤耐性を強化する化合物の総称であり、除草剤と同時または事前に処理することにより、作物と雑草の薬害の差を増強できる点において、農業上非常に有用である。しかし、セーフナーの作用機構については、これまで分子レベルの知見はほとんどなく、効果の高い化合物の合理的なデザインや除草剤活性成分との組み合わせの予測は困難であった。セーフナーの作用機構の一端を明らかにした本研究成果は、既存のセーフナーの有効な活用方法の探索や、新規セーフナーの開発に繋がる可能性があり、除草剤の利用場面が多様化し、抵抗性雑草の防除に多様な除草剤が求められる現代農業において重要な研究成果といえる。
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