今後の研究の推進方策 |
初年度はシステムのセットアップとその最適化に時間を要した。今後、赤系リーフレタス(レッドファイヤー)を用いて、UV照射(UV-LED)または可視光(白色LED)の変動光照射の処理を行う予定である。その際、処理期間は12 h、24 h、72 hの3つを設け、処理前と処理後のアントシアニンの蓄積量と生合成遺伝子(CHS, CHI, DFR)を解析する。また、アントシアニンの蓄積を引き起こす光合成電子伝達系の還元状態と活性酸素量、各種抗酸化酵素(SOD, CAT, APX, GR)の活性を総合的に評価する。これらによって、可視光の変動光照射が生育及びアントシアニン蓄積に及ぼす影響を明らかにし、UV照射による機能性成分の蓄積機構との違いを解明する。 また、赤系リーフレタス栽培法の確立後、予備的な実験としてゲノム解析が進んでいる赤ジソを用いた研究を展開する。赤系リーフレタスのみならず赤ジソを実験対象として、可視光の変動光照射の汎用性を評価する。赤ジソを実験材料にする際には、アントシアニンに加えて、薬用成分であるペリルアルデヒド、ロスマリン酸、そしてリノレン酸の定量も行う。
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