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2020 年度 実施状況報告書

施設生産のためのカビリスク診断システムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 20K21350
研究機関豊橋技術科学大学

研究代表者

高山 弘太郎  豊橋技術科学大学, エレクトロニクス先端融合研究所, 教授 (40380266)

研究分担者 八丈野 孝  愛媛大学, 農学研究科, 准教授 (10404063)
藤内 直道  愛媛大学, 農学研究科, 助教 (90791210)
研究期間 (年度) 2020-07-30 – 2022-03-31
キーワード画像計測 / 画像解析 / ディープラーニング / 環境工学 / 施設園芸 / 病害リスク検知
研究実績の概要

植物工場やビニルハウス等の施設生産おける作物周年栽培では,湿度管理と連動して生じるカビ(うどんこ病菌等)への対応が喫緊の課題となっている。本研究では,浮遊胞子トラップツールで捕集したカビ胞子の顕微画像をオンサイトかつリアルタイムにAI技術(ディープラーニング)を用いて解析し,カビ被害が拡大する前の超初期段階でカビ発生アラームを鳴らすカビリスク診断システムを開発することを目的としている。
本年度は,浮遊胞子トラップツールの開発,カビ胞子顕微画像を対象としたディープラーニングによる胞子の物体検知・カウント技術の開発に向け,(1)施設園芸作物の周囲を浮遊する物体の調査,(2)胞子顕微画像を用いたディープラーニング技術の試行的開発を実施した。(1)では,空気中浮遊物体捕集装置を作成し,インキュベータを用いいた基礎的実験を行った。具体的には,透明クリアボックス (355W × 472L × 253H[mm]) 内にウドンコ病罹病キュウリ植物体を4個体入れ,気温25°C,湿度50%に制御したインキュベータ内に静置した 。インピンジャー (30 mL) とガス洗気瓶 (500 mL) を使用して浮遊物体を水に捕集した。エアポンプを用いてボックス内空気を各器具に導入した。9日間の捕集を行った結果,数百から数μmの虫・微小生物・植物繊維の捕集が行えることが確認された。(2)では,自ら収集することができるうどんこ胞子顕微鏡画像数には限界があるため,Custom Search APIを用いてキュウリうどんこ胞子顕微鏡画像をウェブ経由で自動収集した。この画像を用いて物体検出モデル(ディープラーニング)を作成し,うどんこ胞子検知を行った結果,適合率は11%,再現率は80%であった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

具体的な研究開発内容は,(1)浮遊胞子トラップツールの開発,(2)カビ胞子顕微画像を対象としたディープラーニングによる胞子の物体検知・カウント技術の開発である。(1)および(2)のいずれについても,概ね計画どおりに進捗していると考えている。ただし,(2)で試作した物体検出モデルの適合率が低い原因は,砂塵等のゴミの誤検出数が非常に多いためであると考えられたため,これを改善するための方策を検討する必要がある。

今後の研究の推進方策

新型コロナウイルス感染症対策として,商業的施設生産現場への出張が制限されており,生産現場における実証試験が限定的になる見込みである。可能な限りリモートでの実施ができるように生産現場との連携および関連企業との協力関係を強化して,研究が問題なく推進できる環境を整備する。

次年度使用額が生じた理由

昨年度は,新型コロナウイルス感染症対策として,商業的施設生産現場への出張が制限されており,生産現場における実証試験が限定的になり,学内で実施することができる基礎的実験とAI(ディープラーニング)モデルの試作を行った。翌年度は,次年度使用額を用いて,生産現場との連携および関連企業との協力関係を強化(リモートで動作する計測装置の試作を含む)して,研究が問題なく推進できる環境を整備する。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2020

すべて 学会発表 (3件) (うち招待講演 2件)

  • [学会発表] モイスチャーセンサを用いたキュウリ葉における結露リスクの把握2020

    • 著者名/発表者名
      稲葉一恵, 川喜多 仁, 小本和貴, 加納多佳留, 藤内直道, 仁科弘重, 高山弘太郎
    • 学会等名
      農業情報学会2020年度年次大会
  • [学会発表] 高山弘太郎2020

    • 著者名/発表者名
      キュウリの光合成・蒸散のリアルタイム計測と栽培管理への利用
    • 学会等名
      施設園芸新技術セミナー・機器資材展 in 佐賀
    • 招待講演
  • [学会発表] AIを活用した農業2020

    • 著者名/発表者名
      仁科弘重, 高山弘太郎
    • 学会等名
      日本学術会議in山口 公開講演会「AI戦略の地方への展開-大学におけるデータサイエンス教育と地域連携」
    • 招待講演

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公開日: 2021-12-27  

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