研究実績の概要 |
本年度は、マウスおよびラットの顕微注入系のセットアップを進めた。予備実験として、Wistar由来の異なる系統のラットから過排卵処理によって未受精卵を回収し、単為発生による生存率や前核形成率、発生率を比較したところ、系統間で顕著な差は認められなった。続いて、BDF1マウスおよびWistarラットから第二減数分裂中期卵母細胞を回収し、同種および異種間の卵丘細胞核の顕微注入を行い、前核形成卵の作製が可能であることを確認した。また、ラット体細胞核移植再構築卵について、Kdm4dを過剰発現することで、マウスと同様にヒストンH3K9のトリメチル化が低減することを確認した。 続いて、体細胞核移植に利用するドナー細胞として、マウスおよびラットのiPS細胞を樹立した。マウス由来Oct4,Sox2,Klf4,Glis1,Lin28a,Nanogを遺伝子導入することで、高効率なiPS細胞の樹立が認められた。また、これら外来遺伝子を除去後も安定に未分化維持する細胞株が得られたため、今後はこれらをドナー細胞として利用可能か検討を行う。
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