鳥類と哺乳類でホスホリパーゼA2受容体(PLA2R)の周知の生理機能が異なる。鳥類ではPLA2Rが抗体受容体として機能するが、哺乳類では受容体機能は知られていない。本研究では、PLA2Rによるトリ抗体(IgY)の輸送機能の実証と、ヒトPLA2Rが抗体受容体として機能するのかを調査した。ニワトリのPLA2Rを強制発現させた細胞培養系を確立して、トリのPLA2Rは抗体受容体であること、トリのPLA2RがIgYの細胞内輸送(トランスサイトーシス)を促進することを実証し、鳥類の血中抗体濃度の維持にPLA2Rが関与することを示した。一方、ヒトのPLA2Rは抗体受容体としての機能を持たないことが判明した。
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