研究課題
挑戦的研究(萌芽)
申請者がモデル動物であるマウスを用いて開発した下垂体前葉および髭毛包に存在する組織幹細胞の分離技術を応用して、ウシ下垂体前葉および髭毛包の組織幹細胞の分離を試みた。その結果、ウシ下垂体前葉に存在する組織幹細胞の分離および培養に成功した。しかしながら、既報の分化誘導法では、ウシ下垂体前葉の組織幹細胞は性腺刺激ホルモン産生細胞へ分化しないことが明らかになった。また、ウシ髭毛包からは初代培養に必要な細胞数を確保できなかった。
生殖分泌学
本研究では、ウシ下垂体前葉に存在する組織幹細胞を分離することに初めて成功した。下垂体前葉組織幹細胞は下垂体前葉ホルモンを産生する5種類の細胞への分化機構を調べるために不可欠なツールであるが、これまでに齧歯類以外で組織幹細胞を分離する技術は存在していなかった。本研究の成果により、ウシ下垂体における細胞分化機構の解明が進むこと、そして、その先には下垂体前葉ホルモンを体外生産する技術を開発することが期待できる。