研究課題/領域番号 |
20K21389
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
粂田 昌宏 京都大学, 生命科学研究科, 助教 (00582181)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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キーワード | 遺伝子工学 / 細胞工学 / 音波 |
研究実績の概要 |
一昨年実施した音波応答遺伝子の網羅的解析において、顕著な応答性を示した遺伝子をピックアップし、そのプロモーター領域の音波応答性をレポーターアッセイにより評価していった。全200程度の候補遺伝子の中から応答強度と応答時間に優れるものから順に検証していったところ、有意な音波応答性を示すプロモーター領域は得られたものの、応答強度・応答時間ともに優れたものは得られず、この点を改善すべく更なる検討を続けている。また別のアプローチとして、音波に応答する細胞内メカニズムを追究することでソノジェネティクス経路の確立を図ることを目的として、音波感受性を変化させる薬剤スクリーニングを開始した。現在までに特定のシグナル伝達経路の関与を強く示唆する結果が得られており、更にターゲットされた薬剤処理や分子修飾解析、代謝物解析によって経路の詳細を明らかにすべく、計画を推進している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当年度の「実績の概要」に上述の通り、プロモーター領域単独で十分な音波応答性を示すものは得られておらず、計画時に見込んでいた最短ルートでの目的達成には至らない可能性がある。しかし関連因子の探索や音波応答性シグナル伝達の特定は順調に進んでおり、研究自体には多くの進展と成果が得られていることから、学術研究としては順調な進展がみられていると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
昨年度の成果に基づき、以下の研究を推進して目的を達成したい。 1)音波応答性プロモーターの探索と評価:候補遺伝子リストの残りの遺伝子について、プロモーター領域の音波応答性を検証する。 2)音波シグナル伝達経路の特定:細胞内の音波刺激を伝達するシグナル経路を特定する。特定された経路に基づき、音波応答性プロモーターを最適化して応答性の高いプロモーター配列を得る。 3)細胞状態と音波応答の関連の解明:昨年の取り組みの中で、細胞密度で音波応答性が変化する遺伝子の存在に気付いた。一方で恒常的に応答性を示す遺伝子も得られており、この差異の由来を追究することで、様々な環境下で特徴的な応答を示すプロモーターを得ることを目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究に必要な各種物品を購入し、残額として残った額である。次年度経費と合わせて必要物品購入のために使用する見込みがあるため、この額での年度内使い切りを行わず、次年度における有効な活用のために繰り越したものである。
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