研究課題
老化や変性疾患でしばしば観察されるユビキチンプロテアソームシステム(UPS)の機能低下あるいは破綻は、不良タンパク質を蓄積させ神経変性疾患などのコンフォメーショナル病の発症に繋がるため、その理解は重要な研究課題である。しかし、UPSにおいて「分解される不良タンパク質のユビキチン(Ub)化に特異性はあるのか?」あるとすれば「その特異性の法則は?」といった疑問が未解明であった。これらを解決すべく本研究では新規Ub化基質同定法の開発を実施した。これまでUbリガーゼE3の基質同定法は、遺伝子欠失による必要性に基づく解析が中心であった。しかし、哺乳類の700種類にのぼるユビキチンE3リガーゼには、遺伝子欠損した際に代償性があるため、必ずしもE3リガーゼと基質の生理的関係を反映しているとは言えない。そこで、必要性に基づく解析ではなく、細胞内でE3によって実際にユビキチン化されるタンパク質を直接検出する技法が必要であるとの着想に至り、本研究を立案し推進した。R3年度は、前年度同定したHRD1によるUb化分子群について、小胞体ストレス、様々な細胞質ストレスによるUb化変動を解析した。
すべて 2021
すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)
iScience
巻: 24 ページ: 102758
10.1016/j.isci.2021.102758