研究課題/領域番号 |
20K21411
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分44:細胞レベルから個体レベルの生物学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
藤田 恭之 京都大学, 医学研究科, 教授 (50580974)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2022-03-31
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キーワード | 細胞競合 / 収縮力 / 牽引力顕微鏡 / カルシウムスパーク |
研究成果の概要 |
細胞層中に、性質の異なる変異細胞が出現した時、周りの正常細胞と異常な細胞との間で互いに生存を争う「細胞競合」という現象が起きる。しかし、細胞競合を制御する分子メカニズム、特に物理的プロセスの関与については、ほとんど明らかでなかった。 本研究では、変異細胞に隣接する正常細胞で一過性の細胞内カルシウムの増大が観察された。我々はこの現象をカルシウムスパークと命名した。さらに様々な物理的パラメーターを解析することによって、変異細胞に隣接する正常細胞には圧縮力がかかり、形質膜における聴力が増加することによって、メカノセンシティブカルシウムチャンネルを介したカルシウムスパークが発生することを見出した。
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自由記述の分野 |
分子腫瘍学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究によって、変異細胞に隣接した正常細胞では、様々な物理的、化学的な変化が生じ、その結果、変異細胞の上皮細胞層からの排除を促進していることが明らかになった。これまで、細胞競合における細胞の物理的な変化については、ほとんど報告がなく、細胞競合研究分野に新たな見地を与える研究成果であると高く評価できる。また、これらのデータは、これまでブラックボックスであったがんの超初期段階で起こるプロセスの一端を明らかにするものであり、今後のがんの予防的治療薬の開発にもつながり得る研究成果であると言えよう。
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