研究成果の概要 |
本研究は緑藻クラミドモナスの2本の鞭毛の性質の違いを分子レベルで明らかにすることを目指したものである。 研究材料の片方の鞭毛しか打たない変異株は、外腕α重鎖、内腕分子種a, c, dを欠損している。我々はこれらのダイニン間にある構造が2本の鞭毛で非対称に存在する可能性を考え、内腕分子種を1つずつ欠いた外腕α重鎖欠損株を作成したが、これらはすべて2本の鞭毛を動かした。そのため、複数の内腕ダイニン間にまたがる構造が原因である可能性がある。クライオ電子顕微鏡によって変異株の鞭毛内部構造を観察したところ、片方の鞭毛でだけ失われている構造を見出した。現在この構造の要因となるタンパク質の同定を進めている。
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