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2021 年度 実績報告書

低毒性かつ迅速なタンパク質分解系・AID法を用いた人為的細胞周期制御

研究課題

研究課題/領域番号 20K21423
研究機関名古屋大学

研究代表者

嘉村 巧  名古屋大学, 理学研究科, 教授 (40333455)

研究分担者 西村 浩平  名古屋大学, 理学研究科, 助教 (80582709)
研究期間 (年度) 2020-07-30 – 2022-03-31
キーワードオーキシン / AID法 / 動物培養細胞 / タンパク質分解 / ユビキチンプロテアソーム
研究実績の概要

本研究の目的は研究分担者により開発された速やかなタンパク質分解系であるAuxin Inducible Degron (AID)法を用いて、哺乳類培養細胞系において、人為的な細胞周期コントロールを行うことである。上記の目的を達成するためには細胞にとって低毒性かつ高効率なタンパク質分解系が必要不可欠となる。AID法を用いたタンパク質の分解には高濃度のオーキシンが必要となり、長時間の培養においては細胞毒性を示してしまうことがある。そのため、より低濃度での分解誘導を可能とする高感度AID法の開発に取り組み、従来のAID法よりも1000倍もの効率で分解誘導が可能であるSuper-sensitive (ss)AID法を構築することに成功した。次にこの方法を用いて細胞周期制御を行うためにCdk1、Cdk2、p16、p21、p27に注目した。dominant negative型Cdk1、Cdk2もしくはCDK阻害因子を細胞に過剰発現させることにより、細胞周期の停止を引き起こし、AID法による分解で、細胞周期のリスタートを試みた。Tet on systemを用いて、OsTIR1F74AとGFPとAID-tagとを付加したそれぞれの因子をHeLa細胞、マウスES細胞などに導入し、タンパク質分解を試みたが、Tet on systemにより標的タンパク質の発現量が多くなりすぎていたため、AID法によるタンパク質の除去が困難であることがわかった。次に細胞周期にかかわる因子をAID法で制御できる細胞株の作製を行った。その結果、Cdk1のAID細胞株ではCdk1の分解により、細胞周期がG2期で停止することが明らかとなった。ニワトリのDT40細胞株だけではなく、マウスのES細胞においても同様の結果が得られたことから、様々な細胞において、Cdk1の制御により、人為的な細胞周期制御が可能となると考えられた。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2022 2021 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (3件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Transfected plasmid DNA is incorporated into the nucleus via nuclear envelope reformation at telophase2022

    • 著者名/発表者名
      Haraguchi Tokuko、Koujin Takako、Shindo Tomoko、Sukriye Bilir、Osakada Hiroko、Nishimura Kohei、Hirano Yasuhiro、Asakawa Haruhiko、Mori Chie、Kobayashi Shouhei、Okada Yasushi、Chikashige Yuji、Fukagawa Tatsuo、Shibata Shinsuke、Hiraoka Yasushi
    • 雑誌名

      Communications Biology

      巻: 5 ページ: 78-88

    • DOI

      10.1038/s42003-022-03021-8

    • 査読あり
  • [雑誌論文] A Simple Method to Generate Super-sensitive AID (ssAID)-based Conditional Knockouts using CRISPR-based Gene Knockout in Various Vertebrate Cell Lines2021

    • 著者名/発表者名
      Nishimura Kohei、Fukagawa Tatsuo
    • 雑誌名

      BIO-PROTOCOL

      巻: 11 ページ: e4092

    • DOI

      10.21769/BioProtoc.4092

    • 査読あり
  • [雑誌論文] A Simple Method that Combines CRISPR and AID to Quickly Generate Conditional Knockouts for Essential Genes in Various Vertebrate Cell Lines2021

    • 著者名/発表者名
      Nishimura Kohei、Fukagawa Tatsuo
    • 雑誌名

      Methods in molecular biology (Clifton, N.J.)

      巻: 2377 ページ: 109~122

    • DOI

      10.1007/978-1-0716-1720-5_6

    • 査読あり
  • [学会発表] 改良型オーキシンと受容体を用いた高感度タンパク質分解法2021

    • 著者名/発表者名
      西村浩平
    • 学会等名
      日本遺伝学会第93回大会
  • [学会発表] A super-sensitive Auxin Inducible Degron (ssAID) system for conditional knockdown in various vertebrate cell lines2021

    • 著者名/発表者名
      Kohei Nishimura
    • 学会等名
      第44回日本分子生物学会年会
  • [学会発表] 出芽酵母Tsk1はSnf1依存的低グルコース応答シグナルの負の制御因子である2021

    • 著者名/発表者名
      深瀨文奈子、佐々木怜菜、小原圭介、西村浩平、嘉村巧
    • 学会等名
      第44回日本分子生物学会年会
  • [備考]

    • URL

      https://sites.google.com/view/kamura-lab/%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%A0

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公開日: 2022-12-28  

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