研究課題
Gタンパク質共役型受容体(GPCR)は、ヒトゲノム中に約800種存在する大きな受容体ファミリーで、神経系、内分泌系、免疫系などさまざまな生命機能に関わる重要な分子である。そのためGPCRは、生命機能の解明という基礎研究分野のみならず、創薬のターゲットとしても非常に注目され続けてきたが、現在でも多数のGPCRは生理機能が不明である。この理由の一つは、従来のGPCR研究がリガンド同定を起点に進められ、したがってリガンドが同定されなければ生理機能の解析が進まないからである。そこで本研究では、光感受性GPCRであるロドプシン類を代替受容体として、すなわち光を代替リガンドとして用いることで、リガンド同定を経ずに、機能未知GPCRが関わる生理機能を明らかにするという、新しいGPCR研究ストラテジーの確立に挑戦している。その結果、2022年度は以下の研究成果を得た。・このストラテジーの実証として生理機能が予想しやすいフェロモン応答に着目して研究を進め、今年度は、前年度までに取得したゼブラフィッシュのフェロモン受容体遺伝子のプロモーターを用いて、それぞれのフェロモン受容細胞に光遺伝学ツールとして有望なロドプシン類および蛍光タンパク質を発現する遺伝子導入ゼブラフィッシュ系統の作出に成功した。さらに、さまざまなマーカーを組み合わせた組織学的解析によって、各フェロモン受容細胞の特徴づけを行った。・このストラテジーの他生物への展開として、線虫の感覚受容細胞にロドプシン類を導入し、各感覚応答におけるGPCRの関与や応答特性を明らかにした。
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すべて 国際共同研究 (4件) 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 1件、 査読あり 4件、 オープンアクセス 5件) 学会発表 (26件) (うち国際学会 6件、 招待講演 1件) 備考 (3件)
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