研究課題/領域番号 |
20K21435
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研究機関 | 国立遺伝学研究所 |
研究代表者 |
小田 祥久 国立遺伝学研究所, 遺伝形質研究系, 教授 (30583257)
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研究分担者 |
島本 勇太 国立遺伝学研究所, 遺伝メカニズム研究系, 准教授 (80409656)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2022-03-31
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キーワード | 細胞壁 |
研究実績の概要 |
物理的な刺激の受容と応答は細胞のふるまいを決定づける重要な現象である。植物細胞は周囲の細胞と細胞壁を介して接着しているため、常に周辺組織からの力学ストレスにさらされながら成長や分化、分裂を行っている。植物細胞が物理刺激に応答する仕組みの理解は、細胞のふるまい、さらには植物の発生を理解する上で欠かせない。動物細胞では細胞膜上のチャネル分子や細胞間相互作用、低分子量Gタンパク質や細胞骨格の寄与が明らかとなってきた。細胞壁に覆われた植物細胞は細胞内全体に膨圧がかかった状態にあり、動物細胞とはまったく異なる物理環境にある。そのため植物細胞の力学応答では動物のものとはまったく異なる仕組みがはたらいていると考えられる。しかしながら、植物細胞においては技術的な困難もありその仕組みはほとんど明らかになされてこなかった。本研究では植物細胞の力学応答を解析する技術を新たに確立し、その仕組みに迫る研究基盤を確立する。これまでに研究代表者が確立した植物細胞と研究分担者のマイクロニードルを用いて力学測定技術1細胞レベルで局所的に植物に定量的に力学刺激を与える実験条件を検討した。様々な形状のニードルを試作し、いくつか良好な形状のものを選別することに成功した。ニードル自体の力学特性を計測する方法を検討し、従来よりも簡易に測定する方法を確立することに成功した。さらに植物培養細胞の顕微鏡上での設置方法や、ニードルのアプローチに必要なセッティングを検討し、実際にニードルで細胞を挟み込み力を加えることに成功した。培養細胞にカルシウムセンサーを導入し、その応答を検出する初歩的なデータを得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
実験を担当していた研究室メンバーの異動により一部の実験に遅れが生じた。
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今後の研究の推進方策 |
遅れた実験を考慮しつつ可能な限り計画通りに研究を実施する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
実験を担当していたラボメンバーの異動によりいくつかの実験に遅れが生じたため、次年度に人件費および実験に必要な物品の購入に充てる予定である。
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