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2020 年度 実施状況報告書

ドーパミン神経に作用するインスリンシグナルの解明

研究課題

研究課題/領域番号 20K21458
研究機関東京大学

研究代表者

植松 朗  東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 特任講師 (90716242)

研究期間 (年度) 2020-07-30 – 2023-03-31
キーワードドーパミン / 脳腸相関 / 糖 / インスリン
研究実績の概要

2020年度は1)ドーパミンセンサーであるGRAB-DAを用いたドーパミンシグナル測定系を立ち上げ、2)アデノ随伴ウイルス(AAV)による遺伝子ノックアウト(KO)のデザインを行った。
ドーパミンシグナル測定系ではGRAB-DAを神経細胞に発現させるAAVをマウスの複数の脳領域に投与し、光ファイバーを留置した。手術回復後、マウスは頭部固定を行いファイバーフォトメトリ―装置に光ファイバーを接続し、GRABーDAシグナルの変動について観察をした。得られたRawデータに対してフォトブリーチの補正やシグナルの抽出といった解析の最適化を行った。この方法を用いて1個体のいくつかの脳領域でドーパミンの変動がみれることを確認した。
遺伝子KOについてはfloxマウスを用いたコンディショナルKOという手法をこれまで用いていたものの、成長過程における代償性変化に関する影響や今後使用したい特定ドーパミン神経における遺伝子KOといったことを考慮すると時空間特異的な手法が必要となる。そこで、AAVによるCRISP-Cas9を用いたKOについて検討を行った。saCas9タンパク質を発現させるプラスミドとインスリン受容体ベータサブユニットをターゲットにするsgRNAを発現するプラスミドを作製し、それぞれAAVにパッケージした。次にマウス腹側被蓋野においてこれらのAAV混合したものを投与した。動物を灌流固定し脳セクションの免疫染色を行った結果、シグナルが落ちていることが確認できた。よってAAVによるKOを可能とする系を立ち上げられたと考える。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の研究目的・研究実施計画に従って順調に研究を遂行しているため。

今後の研究の推進方策

ドーパミン神経からのイメージングを計画していたが、「研究実績の概要」に既述したように、シグナルノイズ比や実験の容易さからドーパミンセンサーに切り替える。胃内に糖を投与したときの複数のドーパミン入力領域を同時に計測する。
AAVによるCRISP-Cas9をもちいたインスリン受容体KOについては、ウェスタンブロッティングや免疫組織化学染色により検証する。この系を立ち上げた後はこれを用いて腹側被蓋野のドーパミン神経にてインスリン受容体をKOを行う。このマウスを用いることで胃内に糖を投与した際のドーパミン応答や味覚-栄養素条件づけについて検討を行う。

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公開日: 2021-12-27  

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