胃内投与による脳の刺激応答を観察を試みているが、実験系は一度のみ胃内に投与を行い、投与前後の数10分単位での変化を解析する必要がある。これまでドーパミンの変化量を観察する事に焦点をあて、ドーパミン蛍光プローブを用いた長時間測定を試みた。しかしながら、観察条件によっては蛍光プローブのフォトブリーチングがおこるため、胃内投与実験との相性がよくなく、安定したシグナルの観察がこれまでの課題となっていた。本年は励起光の強度や照射時間や照射方法について検討を行った。その結果、ドーパミン蛍光プロ―ブにおいてフォトブリーチングが起きづらく、長時間観察が可能な条件について見出すことができた。これを使用する事により胃内に水、糖、脂肪懸濁液をそれぞれ投与したときの脳部位におけるドーパミン変化について検討を行った。糖もしくは脂肪懸濁液の投与後に側坐核においてドーパミン濃度の有意な上昇がみられた。 次に新しい行動実験についての検討を行った。これまでは30分X3日間の条件づけを行っていたが24時間X7日間の条件づけを行うことでより条件づけの効果が強くなることを確認した。インスリン受容体のノックアウトについても確認を行ったため、これらの系を利用して関係性について明らかにする。
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