自閉スペクトラム症の病態の分子メカニズムは不明な点が多く残されており、多数の患者を説明できる明確な分子病因は同定されていない。本研究では、社会行動の制御に関わる神経細胞の機能解析、および社会行動を制御する神経回路の同定を目的としている。研究期間中に以下のことを明らかにした。①自閉スペクトラム症モデルマウスであるPOGZ点変異マウスの社会行動異常がオキシトシンにより回復することを明らかにした。②POGZがオキシトシン受容体遺伝子のプロモーター領域に結合し、その発現を制御していることを明らかにした。③社会活動により活性化したマウス前帯状皮質神経細胞の活動が社会性制御に重要であることを明らかにした。
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