研究課題/領域番号 |
20K21475
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分47:薬学およびその関連分野
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
加藤 将夫 金沢大学, 薬学系, 教授 (30251440)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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キーワード | 妊娠高血圧症候群 / 遺伝子組換えタンパク質 / アミノペプチダーゼ / アンジオテンシン / 薬物動態 / 降圧薬 / 動物モデル / 質量分析装置 |
研究成果の概要 |
妊娠高血圧症候群患者の血漿では、昇圧ペプチドangiotensin II (Ang II)の加水分解を担うaminopeptidase A (APA)活性が低い。本研究は、遺伝子組換えヒトAPAタンパク質を作製し、その体内動態と薬理活性の解明を目的とした。ヒトAPAをコードする遺伝子を哺乳類細胞に導入し、培養上清から組換えタンパク質を精製した。精製したrhAPAはAng IIを加水分解しAngIIIが生成されたことから、酵素活性を有する組換えタンパク質を作製することができた。APAを種々のリンカー配列を介してFcタンパク質と融合させることで、酵素活性とマウスにおける体内動態特性が改善された。
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自由記述の分野 |
薬物動態学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
妊娠時には多くの高血圧治療薬が禁忌であるため、妊娠高血圧症候群に対する治療薬は極めて限られる。低分子薬は胎盤を通過する可能性があるため胎児に対する影響の可能性を排除できない。一方、遺伝子組換えタンパク質であれば分子サイズが大きく胎盤透過性は低いと予想されるため、安全性の高いモダリティとして妊娠高血圧症候群の降圧治療に応用できる可能性があり、社会的意義は大きい。本研究においては、リンカー配列を介してFcタンパク質と融合させることでAPAの酵素活性と体内動態特性が改善されることが示された。本研究は生体内に存在する酵素を遺伝子組換えタンパク質として応用する上で有益な方策を示した点で学術的意義がある。
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