研究課題/領域番号 |
20K21492
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
小出 隆規 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (70322253)
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研究分担者 |
増田 亮 早稲田大学, 理工学術院, 次席研究員(研究院講師) (90632159)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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キーワード | ペプチド / スクリーニング / モノクローナル抗体 / ライブラリ |
研究実績の概要 |
昨年度に引き続き、ヘテロキラルなランダムペプチドライブラリ(OB2^Pライブラリ)からモノクローナル抗体に対するmimotopeを選択する方法論の確立、とくに検出の高感度化に取り組んだ。標的抗体上でのrolling circle replication (RCA)によるシグナルの増幅では、一定の感度向上が見られたものの大幅な改善には至らず、必要な要件を満足できていない。シグナル増幅法については、標的抗体に結合させたDNA断片に相補的なビオチン化DNA断片の逐次的ハイブリダイゼーションによる超分子形成、あるいは多価ビオチン化タンパク質とストレプトアビジンを交互に添加することによる超分子形成についても試みたが、RCA法同様飛躍的な感度の向上は観察されなかった。一方、これらのシグナル増幅法に加えてペプチドビーズと標的抗体をあらかじめ紫外線照射によりクロスリンクすることによって、付加的な検出感度の向上が認められたことから、検出感度を下げる一つの要因が、洗浄時にペプチドビーズと標的タンパク質との非共有結合が解離することにあると推定された。したがって今後は、ペプチドビーズと標的タンパク質との間への共有結合の導入、溶液中での分子の自由拡散の抑制、ペプチドビーズの基盤への固定化等についても検討する必要がある。 ペプチドビーズ1個からのアミノ酸配列の同定については、従来のエドマン分解法に加え、MALDI-TOF型質量分析計を用いたタンデム質量分析によっても実施できることを確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
Covid-19感染対策および隣研究室火災の後処理等によりラボでの研究活動が制限されたため。
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今後の研究の推進方策 |
当初の研究計画に従い、まずランダムペプチドライブラリからのモノクローナル抗体に対するmimotope取得方法の確立を最優先とする。特に検出の高感度化に重点を置いて検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
上記7にて記載した理由による研究の遅延に加え、予定されていた出張がすべてオンラインでの実施となったため。
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