研究課題
研究代表者は減数分裂の開始に決定的な役割を担う新規の生殖細胞特異的因子MEIOSIS initiator (MEIOSIN)を同定した。MEIOSINはSTRA8と複合体を形成して減 数第一分裂の進行に関連する多くの遺伝子のプロモーターに結合する転写因子として働くが、これによって直接制御される標的遺伝子にはhypothetical gene (ゲノムデータベース上にIDのみが付与されている機能不明遺伝子)が含まれることが判明している。これらの未解析の遺伝子には、減数分裂の進行に必要とされ る未知のものが含まれる可能性がある。とりわけMeiosin遺伝子欠損マウスの成体卵巣の表現型は、ヒトのPOIと酷似することから、Meiosin遺伝子それ自身或い はMEIOSINによって制御される下流の遺伝子が原因となっている可能性が考えられた。本研究ではヒト原発性卵巣不全患者における減数分裂関連因子異常の探索 と疾患モデルマウスでの検証を目的として研究を行った。初経を迎えるべき年齢ですでに卵巣内の卵胞が枯渇し、卵巣性無月経を呈する場合がある。POI症状に 適合した患者の末梢血DNAの全ゲノムのエキソーム解析を実施した。得られたDNA配列情報は、ヒトゲノム配列データベースとの比較により、既知の減数分裂関連 遺伝子とMEIOSINの転写制御下にある約300の遺伝子群に絞って照合を行い、(1)タンパク質をコードする配列に変異が見られないか、(2)スプライシングに影響を 与える配列に変異が見られないか、(3)遺伝子発現に影響を与えるプロモーター周辺に変異がないか、について検討した。
すべて 2022 2021 その他
すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 1件、 査読あり 5件、 オープンアクセス 5件) 学会発表 (9件) (うち国際学会 1件、 招待講演 4件) 図書 (7件) 備考 (2件)
iScience
巻: 25 ページ: 104008
10.1016/j.isci.2022.104008
Sexual Development
巻: - ページ: -
10.1159/000520682
Genes and Genetic Systems
巻: 96 ページ: 1-13
10.1266/ggs.21-00054
Nature Communications
巻: 12 ページ: 3184
10.1038/s41467-021-23378-4
PLOS Genetics
巻: 17 ページ: e1009412
10.1371/journal.pgen.1009412
http://www.imeg.kumamoto-u.ac.jp/bunya_top/chromosome-biology/
https://researchmap.jp/read0123107/