初期胚発生過程で高発現するレトロトランスポゾンLINE-1に対し、宿主が採用する防御機構は不明である。2細胞期胚様ES細胞抽出液を用いて免疫沈降法により精製し、質量分析を行ったところLINE-1 ORF1タンパク質の相互作用因子としてTDP-43を同定した。siRNAをマウス受精卵に注入し、TDP-43 の発現抑制実験を行なったところ、TDP-43ノックダウンにおいて有意にLINE-1のコピー数が増加した。以上の結果から、TDP-43は初期胚発生の過程で脱抑制されるLINE-1の転移活性を抑制し、ゲノム恒常性の維持に寄与していていることが明らかとなった。
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