研究課題
挑戦的研究(萌芽)
クモ膜は脳の周囲をとりまくバリアとして、脳内の液性環境の恒常性維持に寄与していると考えられながら、その構造や分子基盤の全貌はまだ明らかにされておらず、生理的意義を実験的に示した例もほとんどない。本研究では、このクモ膜バリア細胞に発現する、細胞間結合タイトジャンクションに関連するタンパク質群を明らかにするとともに、それら分子を人為的に欠失させたマウスを作出した。今後、これらマウスを詳細に解析することにより、クモ膜バリアの生理的意義が明らかにできると期待される。
細胞生物学
クモ膜は脳内の液性環境の維持に重要なバリア構造であると古くから認識されながら、その生理的意義や病態との関わりについての研究は大きく遅れている。本研究で作成した遺伝子改変マウスは、クモ膜バリアの生理的意義を解明するための今後の研究に役立つとともに、未だ知見や治療法が定まっていない脳脊髄液減少症のようなクモ膜の機能低下に関連すると思われる疾患の理解にもつながることが期待できる。