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2020 年度 実施状況報告書

経胎盤細胞移植法と組織幹細胞欠損マウスを用いた異種間キメラマウス作製法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 20K21513
研究機関筑波大学

研究代表者

高橋 智  筑波大学, 医学医療系, 教授 (50271896)

研究期間 (年度) 2020-07-30 – 2022-03-31
キーワードキメラマウス / ヒト化マウス / 経胎盤 / 遺伝子改変マウス / 再生医療
研究実績の概要

本研究では、1. マウス胎児への経胎盤細胞移植法の開発、2. 高いキメリズムを実現するための組織幹細胞欠損マウスの利用、3. ラット由来造血幹細胞を用いた異種間造血キメラマウスの作製、4. 膵臓幹細胞を欠損するマウスと経胎盤移植を用いた異種間膵臓キメラマウスの作製、の4つの研究開発項目を予定していた。
経胎盤移植法については、細胞を移植するためのガラス管を改良することで、効率良く細胞を移植する方法を確立することができた。細胞の移植時期についても、胎生14.5日から開始し、最終的には胎生9.5日のマウス胎児への移植が可能となった。胎生9.5日は様々な臓器の誘導が始まる時期であり、今後の幅広い応用が期待される。
次に、造血系を欠損するマウスとしてRunx1欠損GATA-1レスキューマウスを用いて、造血幹細胞を移植することで、造血系を再構築できるかを検討した。初めに、マウスの造血幹細胞を移植したところ、造血系を再構築することができた。そこで、種を超えて造血系の再構築が可能かを明らかにするために、ラットの造血幹細胞を移植した。その結果、ほぼ100%に近いラットの造血系を有するマウスを作製することに成功した。Runx1欠損GATA-1レスキューマウスは造血系にも異常があり、残念ながら出生直後に呼吸不全により死亡してしまうが、造血系を再構築したマウスの造血系を解析して、完全に機能的な造血系が再構築されていることを明らかにした。この成果を論文として発表した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究では、1. マウス胎児への経胎盤細胞移植法の開発、2. 高いキメリズムを実現するための組織幹細胞欠損マウスの利用、3. ラット由来造血幹細胞を用いた異種間造血キメラマウスの作製、4. 膵臓幹細胞を欠損するマウスと経胎盤移植を用いた異種間膵臓キメラマウスの作製、の4つの研究開発項目を予定していたが、経胎盤移植法を確立して、造血幹細胞を欠損するマウスを用いて、ほぼ100%に近いラットの造血系を有するマウスを作製することに成功し、論文を発表した。研究は順調に進展している。

今後の研究の推進方策

現在のRunx1欠損GATA-1レスキューマウスでは、造血系以外の異常もあり、増血系を100%ラットで置換することができても、長期生存することができなかった。そこで、Runx1を造血系だけで欠損するRunx1cKOを用いて、増血系をラットで置換したマウスの作製を行う。さらにヒトの造血幹細胞を用いて、ヒト造血系を有するマウスの作製を試みる。また、膵臓を欠損するPdx1欠損マウスを用いて、ラットの膵臓およびヒト膵臓を有するマウスの作製を試みる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2021 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Generation of reconstituted hemato-lymphoid murine embryos by placental transplantation into embryos lacking HSCs2021

    • 著者名/発表者名
      Jeon Hyojung、Asano Keigo、Wakimoto Arata、Kulathunga Kaushalya、Tran Mai Thi Nhu、Nakamura Megumi、Yokomizo Tomomasa、Hamada Michito、Takahashi Satoru
    • 雑誌名

      Scientific Reports

      巻: 11 ページ: 4374

    • DOI

      10.1038/s41598-021-83652-9

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [備考] マウス胎仔の血液を他種のものに置き換えることに成功

    • URL

      https://www.tsukuba.ac.jp/journal/medicine-health/20210225140000.html

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公開日: 2021-12-27  

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