本研究は皮膚マダニ寄生における宿主免疫反応、特に2型免疫による反応の形成、免疫記憶の成立機構を理解することでアレルギーの病態機構解明に向けた新しい道筋を作ることを目的とした。マダニの2次寄生時においては好塩基球、好酸球および好中球の顕著な浸潤を認め、リンパ球欠損マウス、自然リンパ球欠損マウスのいずれでも免疫細胞浸潤がほとんど起こらず、免疫記憶の成立は獲得免疫系のリンパ球に依存的であることがわかった。ΔdblGATAマウスおよびIl33-/-マウスではマダニの2次寄生時に好中球の増加を認め、好酸球の欠損によってなんらかの抑制機構が失われ、好中球が増加した可能性が考えられた。
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