近年、患者組織中のがん細胞は非常に多様性に富むことがわかってきており、この多様性こそが薬剤耐性発生の根幹であると考えられている。本研究では、養子免疫療法に対する耐性化機構の解析を進め、先天的にがん組織中にレアな頻度で存在する耐性細胞と、元々は薬剤感受性であったがん細胞も後天的に耐性を獲得し得るという二つの異なるメカニズムによって治療抵抗性がもたらされることを明らかにした。さらに、個々のがん細胞をバーコード化して1個の細胞レベルで追跡可能な実験系を構築した。今後、薬剤耐性の獲得過程におけるバーコードの種類や数の変化を解析することで、免疫治療に対する薬剤耐性化メカニズムの新たな理解を試みたい。
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