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2020 年度 実施状況報告書

様々な免疫原性の腫瘍細胞が混在するヘテロジニアスな難治性腫瘍に対する治療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 20K21549
研究機関長崎大学

研究代表者

村岡 大輔  長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 准教授 (20608955)

研究期間 (年度) 2020-07-30 – 2022-03-31
キーワード低免疫原性腫瘍
研究実績の概要

近年、様々な免疫原性の腫瘍が混在するヘテロジニアスな腫瘍に関する検討が行われており、この様な腫瘍は免疫療法に対して抵抗性を示すことが明らかになってきた。申請者は、ヘテロマウス腫瘍皮下移植モデルを構築し検討を進める中で、ヘテロ腫瘍局所に低免疫原性腫瘍が存在することで、腫瘍全体が免疫療法に対し抵抗性になること、腫瘍局所に存在する高免疫原性腫瘍への治療効果も抑制されることを見出してきた。本研究では、ヘテロジニアスな腫瘍における低免疫原性腫瘍の存在に注目し、「低免疫原性腫瘍がどのようにして、高免疫原性腫瘍に対する免疫誘導を抑制し、腫瘍全体を免疫療法抵抗性とするのか」を明らかにし、それらの知見を基盤とした治療法の開発を目指す。腫瘍の高免疫原性部位と低免疫原性部位の違いを免疫組織化学染色にて比較した。その結果、低免疫原性部位に比して、高免疫原性部位では腫瘍局所マクロファージが活性化しており、CD8陽性細胞が多く浸潤すること、また制御性T細胞が多く局在していることが確認された。さらに、それぞれの部位の遺伝子発現を網羅的に解析する為、レーザーマイクロダイセクションにて各部位の切り出しを行い、マイクロアレイ解析を行った。現在、データ解析を進めているが、免疫組織化学染色で観察されたマクロファージの活性化の違いおよび腫瘍浸潤T細胞のマーカー発現と同様の結果が観察された。さらにデータを深く解析し低免疫原性部位特異的に発現し、腫瘍特異的免疫誘導に関わる遺伝子の抽出を進める。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

計画通り、腫瘍の高免疫原性部位と低免疫原性部位の差異を明らかにできつつある。また、各部位の網羅的遺伝子解析が成功していることも確認できている。

今後の研究の推進方策

今後は、網羅的遺伝子発現データの解析を進め、どの様にして低免疫原性腫瘍が起点となり免疫誘導を抑制する機構を明らかにしていく。

次年度使用額が生じた理由

初年度は、マイクロアレイ解析により、良いデータが取得できた為、当結果を深く解析する事とした。それにより、予定していたsingle cell RNA シークエンス解析を次年度にした為、当解析は次年度に行う。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2020

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] Low molecular weight compound enhancing NF-kB signaling augments the T cell activation and anti-tumor immune response2020

    • 著者名/発表者名
      Daisuke Muraoka, Yosuke Dotsu, Yudai Sonoda, Akira Asai, Hiroaki Ikeda
    • 学会等名
      第79回日本癌学会学術総会
  • [学会発表] NF-kBシグナリングを介して腫瘍抗原直接認識能を向上する低分子化合物は腫瘍抗原特異的T細胞輸注療法の効果を増強する2020

    • 著者名/発表者名
      道津洋介、村岡大輔、園田祐大、浅井章良、迎 寛、池田裕明
    • 学会等名
      第24回がん免疫学会総会

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公開日: 2021-12-27  

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