研究課題/領域番号 |
20K21550
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分50:腫瘍学およびその関連分野
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
幸谷 愛 東海大学, 医学部, 教授 (00517477)
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研究分担者 |
村上 誠 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 教授 (60276607)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2022-03-31
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キーワード | 細胞外小胞 |
研究成果の概要 |
本研究では、悪性リンパ腫組織中の腫瘍随伴マクロファージ(TAM)から分泌されるsPLA2が腫瘍細胞由来EVのリン脂質を分解することを証明しました。さらに、この分解により「細胞への取り込まれやすさ」や「免疫抑制効果」などのEVの機能が飛躍的に向上し、さまざまな生命現象が誘導されることが分かりました。このとき、EVリン脂質の分解産物であるリゾリン脂質などが細胞にシグナルを伝達しているという、これまでのEV生物学にはない新規作動メカニズムを介することを発見しました。
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自由記述の分野 |
血液内科学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究ではリンパ腫由来EVのみならず他のがん細胞由来EVもsPLA2により分解されることを証明し、sPLA2-EV軸は腫瘍形成において共通の現象であることを明らかにしました。今後はこのsPLA2-EV軸が新たな「免疫チェックポイント」として、がん治療のための新しい薬物標的となることが期待されます。また本研究で証明されたsPLA2によるEV機能の増強効果から、過去に幸谷グループで報告した「組織保護・抗炎症作用を持つEV」などのさまざまな種類のEVが持つ固有の能力をsPLA2が増強するのではないかという仮説の検証も現在行っており、今後は治療的応用への発展も期待されます
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