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2021 年度 実施状況報告書

「眠気」を誘導する神経回路の探索

研究課題

研究課題/領域番号 20K21558
研究機関筑波大学

研究代表者

大石 陽  筑波大学, 国際統合睡眠医科学研究機構, 助教 (70554004)

研究期間 (年度) 2020-07-30 – 2023-03-31
キーワード睡眠
研究実績の概要

眠気が生じ、覚醒が睡眠へと移行する脳内メカニズムは神経科学の大きな謎の一つである。現在、多くの睡眠薬が処方されているが、実はその作用メカニズムは明らかでないものが多い。本研究では、眠気を生じる薬剤の一つとその標的、すなわちヒスタミン系に注目し、睡眠制御メカニズム解明を目指す。ヒスタミンの作用を抑える抗ヒスタミン薬は、花粉症の治療薬としてよく用いられるが、その副作用として強い眠気を生じる。すなわち、中枢のヒスタミン系は我々にとって最も信頼性の高い、強力な睡眠覚醒制御システムの一つである。しかし、どの脳部位または神経集団がヒスタミン系による睡眠覚醒を仲介するかは現在ほぼ不明である。本研究では、ヒスタミン受容体を発現する神経群に注目し、神経種特異的な活性制御技術を用いて、ヒスタミン系による睡眠調節に重要な神経回路の探索を行う。本年度はまずヒスタミン受容体発現神経に化学遺伝学ツールを発現するマウスを作製し、発現細胞の分布をヒスタミン受容体の分布と比較した。その結果、両者の分布は非常に似通っており、同マウスの有用性が示唆された。そこで、興奮性の化学遺伝学ツールを発現するマウスにツールを活性化させる化合物を投与したところ、マウスはその後まもなく死亡した。これは急激にアレルギー反応が起こったためと推察され、ツールがヒスタミン受容体発現細胞に正しく発現していたことが示唆された。現在、抑制性の化学遺伝学ツールを発現させたマウスを使い、その行動の変化を解析中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究に必須の遺伝子解析マウスが正しく作成できたであろうことを確認できたため。

今後の研究の推進方策

今後は、抑制性の化学遺伝学ツールを発現させたマウスを使い、ツールを活性化させた際の行動の変化を解析する。

次年度使用額が生じた理由

予算を効率的に使用したため。次年度は動物実験および生化学実験を多めに実施し、より詳細かつ信頼性の高い研究成果を出す。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)

  • [学会発表] DREADD-mediated slow-wave generation in mice2022

    • 著者名/発表者名
      Yo Oishi
    • 学会等名
      WPI-IIIS/Fudan University Joint Symposium
    • 国際学会 / 招待講演

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公開日: 2022-12-28  

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