本研究課題では、特定のアデノ随伴ウイルスベクターを用いた遺伝子導入により、in vivoイメージングに必要な低密度での細胞標識が可能であることを示す結果が得られた。この成果をふまえ、今後はスパイン特異的蛍光カルシウムセンサータンパク質の発現によって樹状突起スパインの形態や密度が変化しないことを確認し、もしこれらに影響しなければ、マウスがバーチャル環境で空間学習するときの樹状突起スパイン活動の慢性イメージングへと進む計画である。このように、本研究課題の成果は、海馬の錐体細胞が行う情報処理の原理を理解する上で重要なステップとなるものである。
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