研究課題/領域番号 |
20K21585
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
星野 温 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (50737210)
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研究分担者 |
渡邊 義久 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (50363990)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2022-03-31
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キーワード | 凝集抵抗性変異 / パーキンソン病 / スクリーニング |
研究実績の概要 |
まず凝集抵抗性変異スクリーニングではSNCAの各変異毎にバーコードを設定して、バーコードでの認識を行ったが、レンチウイルスベースのスクリーニングの場合、ウイルス作成時にスワッピングと呼ばれるリコンビネーションが起こりバーコードと変異のリンクが変わってしまう問題が起こることが分かった。そのためバーコードでなくSNCA全体をシークエンスして変異を直接評価することでスクリーニングをやり直した。結果は各変異のランキング自体は大きく変わらなかったが、凝集性スコアの変化がより大きくなり、感度の大幅な改善が得られた。E46Kはヒトにおいて凝集体形成が亢進することが報告されているが、今回のアッセイ系では凝集抵抗性がトップの変異となった。臨床像とのギャップに関して、ヒトではヘテロで変異が入るが実験系はホモの状態での評価になるため、ヘテロでの評価を行う準備を行っている。また培養細胞でのアッセイ系の限界の可能性も踏まえ、線虫での評価系の構築にも取り組んでいる。変異間の比較を行うには発現量を揃える必要があり、現在ノックイン線虫を効率よく作成する系を検討している。手法としてはCRISPRを用いるSKI LODGEやトランスポゾンを用いるMosSCIで効率が良いものを確認している。全一塩基ライブラリによる凝集抵抗性ライブラリのいわゆるDeep mutational scanはNNKのミックスオリゴを用いて現在ライブラリの作製を完了した段階である。こちらに関してはヒトとマウスSNCA両方で評価を行う準備ができている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ヒト化SNCAマウスがゲノム編集に適していないため、概念実証としてマウスSNCAで疾患抵抗性変異を同定して、野生型マウスにおけるゲノム編集を行う必要が生じたため。
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今後の研究の推進方策 |
ヒト化SNCAマウスを用いる予定であったが、このマウスはbacで入れた遺伝子断片がマルチコピーで導入されているためゲノム編集を効率よく行えないことが判明した。そのためvivoでの評価はマウスSNCAにおいて凝集抵抗性変異を同定し、野生型マウスでの評価を行う。そのため全一塩基変異ライブラリによる凝集抵抗性スクリーニングはヒトSNCAとマウスSNCAで行う。
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