本研究では、アルドステロン産生腫瘍(APA)、コルチゾール産生腫瘍(CPA)あるいは非機能性副腎皮質腫瘍と診断された症例を対象としてオミクス解析を実施した。組織中のステロイドミクス解析により、APAではCPAと比較すると低値ではあるが対照群と比較して有意なコルチゾールの上昇が認められた。ゲノム解析により、CPAではコルチゾール生合成の重要な経路であるPKAの活性化に関連する遺伝子群の体細胞変異が検出されたが、APAでは検出されず、異なる機序によるコルチゾール生合成機構が示唆された。機械学習を用いたクラスタリング解析により、副腎皮質腫瘍はステロイドミクスに基づいて複数のクラスターに分類された。
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