近年、皮膚局所における血管収縮やNa貯留についても高血圧と関連する可能性が報告され、最大の臓器である皮膚組織の血圧調節における機能的意義が注目されている。代表的な血圧調節機構であるレニン・アンジオテンシン系は皮膚での存在も明らかにされているが、皮膚組織レニン・アンジオテンシン系の生体における役割や病態との関連は未解明である。本研究は高血圧の進展における皮膚組織RASの病態生理学的意義を臨床・基礎の両側面から検討した。その結果、皮膚組織レニン・アンジオテンシン系の制御による皮膚血管機能調節が、高血圧予防・治療法開発の新規標的となる可能性を明らかにすることができた。
|