研究課題
これまでの基礎研究データの蓄積によりアレルギー疾患を抑制する因子(サイトカイン、転写因子、および代謝物)について、疾患をコントロールするいくつかの有力な候補因子が挙げられている。しかしながら、生理的重要性や治療効果の証明については遺伝子改変マウスに強く依存しており、マウス作製含め検証自体に多くの時間を要することもあるため、臨床応用への距離は未だ非常に遠くなっている。本研究ではアデノ随伴ウイルスを用いた、in vivoで効率良く特定の遺伝子を発現誘導することのできるCRISPR/Cas9 TGA(Target Gene Activation)システムにより、喘息やアトピー性皮膚炎をはじめとしたアレルギー疾患の新規遺伝子治療法を開発し、基礎と臨床の距離を縮めることを目標とする。具体的には、これまでの我々の免疫アレルギー研究で培ってきたエビデンスを基に、IL-10やIL-27などの抑制性サイトカインについては環境細胞を中心に誘導、またEomes、Ezh2、およびDusp10などの内因性制御因子についてはリンパ球に発言させ、次世代型の革新的アレルギー疾患治療の開発を行う。本年度は、標的因子全てを高効率に誘導できるシステムを構築し、またin vivoでもアデノ随伴ウイルスを用いて肺特異的に標的因子を活性化させることができた。現在これらの研究成果をまとめ論文投稿準備中である。
すべて 2021
すべて 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 1件、 査読あり 4件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 1件、 招待講演 6件)
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