研究課題/領域番号 |
20K21620
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研究機関 | 国立研究開発法人国立国際医療研究センター |
研究代表者 |
植木 浩二郎 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, その他部局等, 糖尿病研究センター長 (00396714)
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研究分担者 |
粟澤 元晴 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, その他部局等, 糖尿病研究センター 分子糖尿病医学研究部 統合生理学研究室長 (90466764)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2022-03-31
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キーワード | 皮膚 / 熱放散 / 肥満 / 糖代謝 |
研究実績の概要 |
本研究では1)皮膚の熱放散へのインターベンションが、エネルギー燃焼の変化、あるいは全身性の代謝異常に対する治療効果をもたらす可能性を検討することを目標に掲げ、2)更にこの様な熱放散機構の異常が肥満病態において生じているか否か、その病態生理における寄与も発展的に解析するものとした。これまでの予備検討から、野生型マウスの尾部にIloprostを隔日に塗布し、2週間の観察を行なったところ、興味深いことに随時血糖の有意な低下と肝臓糖新生関連遺伝子の有意な発現変化を認めていた。 初年度半期分の進捗状況として、上記1)、2)ともに詳細な解析を行うための実験系の確立を目指して検討を進めている。1)については、代謝ケージを新たに導入し、温度管理チャンバー内で同時に6個体のマウスのエネルギー燃焼量、摂食量を測定できるシステムを構築した。既に野生型マウスのデータを採取しシステムのセットアップが適切であることが確認できている。これらの結果に基づき、野生型マウスの実験群に高脂肪食負荷を開始しており、今後肥満マウスにおいて実際にイロプロスト塗布による血糖低下効果が確認されるか否か、またその時にエネルギー燃焼量、摂食量といったパラメーターがどの様に変化するかを解析する予定である。 2)については、近年の解析技術の発達を承けて、皮膚のシングルセルRNAseqを行うべく準備を進めている。皮膚の細胞を分散し単一細胞を得る技術については既に確立しているためこれを応用し、またシークエンシングおよび二次解析を委託する業者の選定を完了した。次年度中に野生型マウス、肥満モデルマウスそれぞれ1匹ずつの皮膚を用いた細胞分散の予備検討を行い、その結果に基づいて野生型マウス3匹、肥満モデルマウス3匹の皮膚のシングルセルRNAseqを行い、皮膚を構成する複数の細胞においてどの様な遺伝子変化が生じているか網羅的に解析する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究では1)皮膚の熱放散へのインターベンションが、エネルギー燃焼の変化、あるいは全身性の代謝異常に対する治療効果をもたらす可能性を検討することを目標に掲げ、2)更にこの様な熱放散機構の異常が肥満病態において生じているか否か、その病態生理における寄与も発展的に解析するものとした。 初年度半期分の進捗状況として、1)についてはシステムのセットアップが終了し、本格的な実験を行う準備が整っている。また2)については、より広く解析の対象を広げることとし、皮膚を構成する複雑な細胞成分の代表的なものについて、肥満によりどの様な遺伝子発現の変化が生じるかを網羅的に解析する目的で皮膚のシングルセルRNAseqを行う準備を進めた。皮膚の細胞を分散し単一細胞を得る方法の検索、またシークエンシングおよび二次解析を委託する業者の選定が完了し、次年度中に野生型マウス、肥満モデルマウスそれぞれ1匹ずつの皮膚を用いた細胞分散の予備検討を行う準備が整っている。更にその結果に基づいて野生型マウス3匹、肥満モデルマウス3匹の皮膚のシングルセルRNAseqを行い、皮膚を構成する複数の細胞においてどの様な遺伝子変化が生じているか網羅的に解析する予定であり、1)、2)の結果を統合的に解釈することによって、より深い洞察が得られるものと期待され、当初の目標を順調に消化していると判断する。
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今後の研究の推進方策 |
本研究では1)皮膚の熱放散へのインターベンションが、エネルギー燃焼の変化、あるいは全身性の代謝異常に対する治療効果をもたらす可能性を検討することを目標に掲げ、2)更にこの様な熱放散機構の異常が肥満病態において生じているか否か、その病態生理における寄与も発展的に解析するものとした。 1)についてはシステムのセットアップが終了し、本格的な実験を行う準備が整っため、野生型マウスの実験群に高脂肪食負荷を開始しており、今後肥満マウスにおいて実際にイロプロスト塗布による血糖低下効果が確認されるか否か、またその時にエネルギー燃焼量、摂食量といったパラメーターがどの様に変化するかを解析、さらにその結果に基づき、皮膚による代謝制御メカニズムを解析していきたいと考えている。 2)については、皮膚のシングルセルRNAseqを行うべく準備を進めており、皮膚の細胞を分散し単一細胞を得る方法の検索、またシークエンシングおよび二次解析を委託する業者の選定が完了し、次年度中に野生型マウス、肥満モデルマウスそれぞれ1匹ずつの皮膚を用いた細胞分散の予備検討を行う準備が整っている。更にその結果に基づいて野生型マウス3匹、肥満モデルマウス3匹の皮膚のシングルセルRNAseqを行い、皮膚を構成する複数の細胞においてどの様な遺伝子変化が生じているか網羅的に解析する予定である。1)、2)の結果を統合的に解釈することによって、より深い洞察が得られるのみならず、2)により新たな代謝制御候補因子が同定される可能性があり、その治療標的分子としての意義づけも検討していきたいと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
初年度が半期のみであったこと、また当初予定していなかったシングルセルRNAseqの受託解析を翌年度分に実施する予定としたため、まとまった予算を次年度分として確保する目的で止むを得ずこの様な対応とした。
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