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2020 年度 実施状況報告書

骨髄酸素分圧の可視化と操作による造血幹細胞動態の時空間的理解

研究課題

研究課題/領域番号 20K21621
研究機関国立研究開発法人国立国際医療研究センター

研究代表者

田久保 圭誉  国立研究開発法人国立国際医療研究センター, その他部局等, 生体恒常性プロジェクト長 (50502788)

研究期間 (年度) 2020-07-30 – 2022-03-31
キーワード造血幹細胞 / 幹細胞ニッチ / 骨髄 / イメージング / 低酸素 / 微小循環
研究実績の概要

臓器の細胞社会の研究では、動物を生きたままの状態で観察するin vivoイメージング技術が重要な手法である。対象の細胞を蛍光レポーターで標識して、多光子レーザー顕微鏡で観察することで、生きた動物の臓器内の細胞の“生きざま”を直接観察する手法であり、各細胞の時空間動態や、細胞間相互作用を明らかにできる。本手法は、すべての血液細胞を生み出す造血幹細胞の研究分野でも有用であると考えられてきたが、in vivoイメージングが可能な、高輝度かつ特異的に造血幹細胞を標識するレポーターやニッチのランドマークの同定法が見出されていなかった。近年研究代表者はこれを可能にするレポーターや生体染色法を見出して、いよいよ造血幹細胞のin vivoイメージング研究が可能な状況となった。一方これまで研究代表者は、骨髄に住まう造血幹細胞を制御する微小環境(ニッチ)因子として、骨髄内の低い酸素分圧が重要であることを報告してきた。そこで本研究では骨髄ニッチの酸素分布の時空間解析を可能にする新たな技術を開発する。初年度はまず、造血幹細胞の位置情報付き動態解析を実施したところ、骨髄内で造血幹細胞は停止しておらずある程度の速度で移動し続けていることを見出した。また、骨髄の酸素分圧の可視化を実施し、血管を中心としたランドマーク付きの酸素マッピングを実施した。以上の成果は骨髄の造血幹細胞や酸素分圧を含むニッチ情報を解析するための新たな手法を与えるものである。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

初年度は、まずin vivoイメージングの手法を用いて血管を生体染色したレポーターマウスの頭蓋骨骨髄を観察し、造血幹細胞と各種骨髄血管、骨の空間配置の解析を開始した。造血幹細胞は細胞周期は静止期にあるが、移動という観点からは静止していないことを確認した。一方、骨髄内の酸素分圧解析のためのプローブ投与や観察の至適化を実施し、骨髄血管や骨の位置情報と、酸素分布を同時に可視化することができた。

今後の研究の推進方策

今後は、骨髄の造血幹細胞や各種血管、骨のイメージングと、プローブ投与による酸素イメージングとを併用して、位置情報付きの造血幹細胞と酸素分布の同時イメージングを実施する。また、骨髄内の酸素分布を変更しうる手法として、経頭蓋骨薬剤送達法や高濃度酸素の利用・効果を検討し、それらの骨髄細胞社会への影響の確認が技術的に可能か確認する。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2021 2020 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 備考 (1件)

  • [国際共同研究] King's College London(英国)

    • 国名
      英国
    • 外国機関名
      King's College London
  • [雑誌論文] p38α plays differential roles in hematopoietic stem cell activity dependent on aging contexts2021

    • 著者名/発表者名
      Sorimachi Yuriko、Karigane Daiki、Ootomo Yukako、Kobayashi Hiroshi、Morikawa Takayuki、Otsu Kinya、Kubota Yoshiaki、Okamoto Shinichiro、Goda Nobuhito、Takubo Keiyo
    • 雑誌名

      Journal of Biological Chemistry

      巻: 296 ページ: 100563~100563

    • DOI

      10.1016/j.jbc.2021.100563

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [雑誌論文] Detection of residual disease in chronic myeloid leukemia utilizing genomic next generation sequencing reveals persistence of differentiated Ph+ B cells but not bone marrow stem/progenitors2020

    • 著者名/発表者名
      Daiki Karigane, Hidenori Kasahara, ... , Keiyo Takubo.
    • 雑誌名

      Leukemia & Lymphoma

      巻: 62 ページ: 679~687

    • DOI

      10.1080/10428194.2020.1837366

    • 査読あり
  • [備考] 国立国際医療研究センター研究所生体恒常性プロジェクト公式ウェブサイト

    • URL

      https://takubolab.com/

URL: 

公開日: 2021-12-27  

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